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どんより曇り空(層雲)


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【2018年4月17日 午前9時5分頃】
@横浜市戸塚区
曇り
全天を厚い雲が覆っている。雲は暗い部分と明るい部分があり、暗い部分の雲はもやもやとした輪郭が見える。雨は降っていない。

午前9時現在、横浜では気温14.3℃、北の風2.3m/s、相対湿度65%


◆ 雲の分布(気象衛星可視画像、赤外画像 午前9時現在)

 中国大陸南部から日本の東海上に伸びる帯状の雲が、西日本から東北地方南部までの広い範囲にかかっているが、四国の一部には雲がない部分もある。雲頂高度の高い厚い雲の大部分は日本の南海上にあるが、一部が九州南部にかかっている。関東地方にかかっている雲は、千葉県や神奈川県の沿岸では雲頂高度が高い厚い雲で、それ以外の地域では薄い雲が中心となっている。


◆ 地上風と下層風の構造(アメダス風、ウィンドプロファイラ 午前9時現在)

 地上風をみると、茨城県南部や千葉県、埼玉県北部では東寄りの風が吹いており、ところによって5m/sとやや強い。埼玉県南部から東京、神奈川にかけては北寄りの風で4m/s以下となっている。
 下層風をみると、関東から東海にかけては高度ごとに風向が大きく変わっている。高度1㎞では関東から九州までの広い範囲で東寄りの風が吹いており、関東では南東から東南東の10m/s以下の風となっている。高度2㎞では近畿から東海にかけて南寄りの風、関東南部では東寄りの風となっており、関東北部では西寄りの風。高度3㎞では全般に西寄りの風となっている。風速の高度分布をみると、関東から東海にかけてのどの地点でも高度4~5㎞付近までは弱く、おおよそ風速20m/s未満となっている。それより高高度になると急に風速が強まり風速30m/s~となっている。


◆ 大気の鉛直分布(水蒸気、風、気温、 高層気象観測データ 午前9時現在)

 ※本日のデータは指定気圧面のみでしたので、参考にしませんでした。


◆ 気圧配置(地上天気図)

 九州の南には低気圧があって東北東へ進んでいる。その南の台湾の東海上から小笠原諸島付近まで停滞前線が伸びている。一方、三陸沖には高気圧があって東へ移動している。また、黄海にも高気圧があり、こちらはほとんど停滞している。関東地方は日本の東海上の高気圧の南西側にあたる。


◆ 大気の高度別水平構造(水蒸気、風、気温 高層天気図 850hPa面、700hPa面、500hPa面、300hPa面)

 各指定気圧面の高層天気図をみると、700hPa面より高高度には九州の南海上にある地上低気圧に対応する気圧の谷を伴っている。この気圧の谷は各気圧面での軸の位置がほとんど同じ場所にある。また、谷の中心付近に弱い寒気を伴っている。また、日本の東海上の高気圧は下層に寒気を伴っており、これが東日本に広がっている。

 一方、下層850hPa、700hPa面において日本の南海上には地上の停滞前線に対応する温度集中帯が、台湾付近から小笠原諸島の東へ伸びている。この温度集中帯に直行して南寄りの風が吹いており、九州から関東にかけては暖気移流場となっている。

 また、この温度集中帯に沿って、気象衛星の画像で見られた帯状の雲に対応する湿潤域が、中国大陸の南から日本の南を通って日本のはるか東へ伸びている。

 この湿潤域について詳しく見る。850hPa面では関東から東海にかけてと九州南部に、700hPa面では九州南部に広がっている。また、500hPa面においても九州から関東にかけて湿数が小さい湿潤域が広がっている。これらから、気象衛星でみられた雲域は、関東から東海にかけては下層850hPa面付近と500hPa面の少なくとも2層、九州南部では850hPa面から500hPa面にかけての全層、そのほかの地域では500hPa付近の中層にある雲に対応していると思われる。


◆ 総評

 日本の東海上には高気圧があり、関東地方はこの南西側にあたる。そのため、地上や下層では東寄りの風が吹いており、全般に雲に覆われて、特に千葉県や神奈川県の沿岸では雲が厚くなっている。

 雲の構造は、高層天気図で見る限り下層と中層で少なくとも2つに分かれている。それらの間には乾燥した空気が見られる。下層の雲は、地上風みられた東寄りの風によるものと、停滞前線付近にみられた温度集中帯に広がる湿潤域から、南寄りの風によって流入した暖かく湿った空気によるものと思われる。中層の雲は九州南部付近から西南西風によって流入した湿潤空気によって形成されたものと思われる。

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by y_hirarin5 | 2018-04-17 23:01 | 今日の雲

肌寒い曇りの日(層雲)

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【2018年4月5日 午前9時05分頃】
@横浜市戸塚区
曇り
 全天を厚い雲が覆っている。雲は全体的に薄い灰色をしているが、ところどころ色の濃い部分がある。風は弱く、日差しがないせいかやや肌寒い。
午前9時現在、横浜では気温13.1℃、東の風4.8m/s、相対湿度61%


●概要

 関東地方南部は、日本海にある高気圧の南の縁にあり、地上付近では南部や東部の海岸で東寄りの風が入りやすい状態となっている。また、カムチャッカ半島の南の低気圧から伸びる寒冷前線が伊豆諸島の東海上に達しており、それに伴う帯状の雲が南部海岸付近にかかっている。東寄りの風の厚さは千葉県館山で地上から1000m付近に達しているが、北ほど厚さは薄くなり、関東北部の水戸や熊谷には見られない。東寄りの風が入らない内陸では上空と同じ西寄りの風が吹いている。雲に覆われているのは東寄りの風が吹いている地域とほぼ一致している。


===気象資料を使って以下のようなことを確認しました===

◆雲の分布(気象衛星可視画像、赤外画像 午前9時現在)

 カムチャッカ半島の南端付近から関東付近にかけて帯状の雲が伸びており、関東南部から静岡県東部を覆っている。この雲は関東付近では雲頂高度が低く、厚みがある。下層から中層の層雲と思われる。この帯状の雲は全体的に東に移動しているが、雲の一番西の端にあたる部分はほとんど位置が変わっておらず、関東付近にかかり続けている。

◆気圧配置と風の分布(午前9時現在)

◇ 風の分布(地上風:アメダス風、下層風:ウィンドプロファイラ)
 まず地上風をみると、茨城県、千葉県、神奈川県、東京や埼玉の東部などで東寄りの風が吹いている。一方、群馬県や埼玉県など内陸では西寄りの風も吹いており、関東北部に風の収束域がみられる。 下層風は高度2㎞より高高度では西寄りの風となっているが、高度1㎞より下層は南部で東寄りの風になっている。この東寄りの風の高度方向の厚さは、千葉県南部の勝浦のデータでみると、およそ地上からおよそ1㎞となっている。一方、内陸の熊谷では全層で西寄りの風となっている。

◇ 気圧配置(地上天気図)
 カムチャッカ半島の南には低気圧があって北東へ毎時65㎞で進んでいる。中心から伸びる寒冷前線が伊豆諸島の東海上に達している。また、九州の北から黄海、揚子江中流にかけて停滞前線が伸びている。一方、日本海には高気圧があって南東へ移動している。 関東地方はこの高気圧の南東側にあたり、東寄りの風が吹いている。

◇ 気圧高度別の風、湿潤域の分布(高層天気図)
 樺太北部に、中心付近に-40℃以下の寒気を伴った寒冷渦がある。この寒冷渦は地上の温帯低気圧につながり背が高い。低気圧の中心位置はどの高度でもほぼ同じ位置あり、今後の発達の可能性はない。関東地方はこの寒冷渦の南側にあたり、上層から中層の強風軸に対しても南側にあたる。また、いずれの高度でも温度移流は小さくなっている。下層850hPa面では、地上の寒冷前線に対応する温度集中帯がカムチャッカ半島の南から東日本を通り、さらに西へと伸びている。関東南部はその南の端にあたる。また、その温度集中帯の南の縁に沿って湿潤域が伸びており、その一部が関東の南海上を通っている。

◇ 風、気温、水蒸気の鉛直分布(高層気象観測データ@館野)

 風の鉛直分布をみると、ウィンドプロファイラデータで見たものと同様に、地上から高度876mまでは東よりの風となっているが、高度1118mより高高度では西寄りの風となっている。湿潤層は西寄りの風の層の下のほうにあり、高度1400m付近で厚さ数10m程度となっている。相当温位の分布から地上から高度181mまでは高高度ほど相当温位が低く対流が起こりやすい状態となっている。エマグラムで見ると、1400m付近の湿潤層の上には逆転層があり、この層を挟んだ上下の層で大気の性質が異なる。上の層は乾燥した西寄りの風が吹いている。一方で下の層は乾燥した東寄りの風が吹いている。


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by y_hirarin5 | 2018-04-05 16:19 | 今日の雲

寒い朝(層雲)

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【2015年12月2日午前9時04分】
@横浜市戸塚区
曇り
全天を厚い雲が覆っている。雲底は輪郭がぼんやりしていて、雲の濃淡が分かるだけとなっている。
雨は降っていない。

午前9時現在、横浜では気温9.8℃、北の風3.8m/s、相対湿度61%

◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)
関東の東には高気圧があって南東へ移動している。一方、南西諸島付近や中国東北区には低気圧があり、これらを含め南北に伸びる気圧の谷が西から近づいている。

降水の分布をみると、午前9時までの1時間に南西諸島や九州北部で〜5mm以下、場所によって20mm程度となっている。

◆ 雲の分布と動き:午前9時現在とその前後1時間程度で比較

日本海から朝鮮半島、華南にかけて帯状の雲が伸びている。また、その一部が北海道にかかっている。また、九州南部から南西諸島にかけても雲が広がっており、これらの雲は雲頂高度が高くて厚くなっている。また、東北地方南部の太平洋側から関東、伊豆諸島付近にも雲が広がっているが、こちらは雲頂高度が低い雲となっている。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

・850hPa面
カムチャッカ半島の南と中国東北区に、地上低気圧に対応する低気圧がある。これらの低気圧の前面には南西の風に伴って暖気が流入しており、とくに中国東北区の低気圧の前面にあたる関東から西の地方では暖気移流場となっている。また、温度集中帯に沿うように華南から朝鮮半島、中国東北区にかけて湿潤域が伸びている。また、関東南部から伊豆諸島の東海上にかけて別の湿潤域が見られる。

・700hPa面
カムチャッカ半島の南と中国東北区に低気圧があり、日本付近は弱い気圧の尾根の中にある。中国東北区の低気圧の前面では西南西~南南西の風が吹いており、華南から朝鮮半島付近と九州の西から南西諸島にかけて湿潤域が広がっている。関東地方上空は温度移流はほとんどなく乾燥した空気が流入している。

・500hPa面
カムチャッカ半島の南と中国東北区に低気圧があり、後者は中心付近に-36℃以下の寒気を伴っている。この低気圧の南東側は南西の風が強く吹いており、寒気のすぐ東側には暖気が流入している。日本付近は強い西よりの風が吹いており、西日本は暖気移流場になっているが、東日本では温度移流はほとんど起こっていない。空気は非常に乾燥している。

・300hPa面
カムチャッカ半島付近には低圧部、中国東北区には低気圧があり、強風軸が低気圧の南側のチベット高原付近から渤海付近を通って日本海に達している。

関東地方上空は地上付近では北東風が吹いているおり寒気が流入しているが、850hPa面では南よりの風で暖気が入っており、700hPa面より上空では西南西風で温度移流はほとんど起こっていない。この高度付近では南よりの風が吹いており、この風に伴って湿った空気が流入していると思われる。

◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

湿数3℃以下:943hPa高度(高度709m)~785hPa高度(高度2191m)南~南南西の風による湿潤空気の流入
地表付近:温位が低く、北よりの風が流入して気温が低いことによる
湿潤層の上、783hPa高度(高度2522m)より上空は相対湿度が低く空気が非常に乾燥している。


◆まとめ
中国東北区の地上低気圧は上空に強い寒気を伴っており、低気圧の南東側の下層の温度集中帯やその上空は湿潤域が広がっており、気象衛星で見た雲の帯に対応している。一方、関東付近にあった下層雲は850hPa面にある湿潤域に対応している。
関東地方は地上付近は北よりの風が吹いていて気温が低いが、そのすぐ上は東よりの風、湿潤層あたりでは南西の風が吹いている。地上付近の気温が低くて相当温位も小さく、対流が起こりにくい状態になっており、湿潤層は南西風あるいは南から湿潤空気が運ばれたことによるものと思われる。


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by y_hirarin5 | 2015-12-02 23:59 | 今日の雲

冷たい雨、下層に暖湿空気が流入(層雲)

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【2015年11月25日午前9時02分】
@横浜市戸塚区
曇り
どんよりとした厚い雲が全天を覆っているが、まだ雨は降っていない。雲底のところどころに小さな濃淡が見える。

午前9時現在、横浜では気温11.3℃、北北東の風3.3m/s、相対湿度67%


◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)
カムチャッカ半島付近には前線を伴った低気圧があって東北東へ進んでいる。また伊豆諸島付近には小さな低気圧があって北東へ20km/hで進んでいる。日本付近は大陸から張りだす高圧部の中に入っているが、関東から西の地方はその南の縁にあたる。

午前9時までの1時間に、関東地方南部と伊豆諸島、山陰地方の東部、九州北部や四国の一部と南西諸島、北海道のところどころで弱い降水を観測している。

関東地方は全般に北東からの風が吹いていて、気温はこの時間では南部で11℃前後、北部は7~8℃程度となっている。

◆ 雲の分布と動き:午前9時現在とその前後1時間程度で比較

九州から北海道にかけて広く雲に覆われているが、ところどころで雲の切れ間も見える。この時間は東北地方南部から九州にかけての太平洋側は雲頂高度の低い雲が広がっているが、九州北部から日本海にかけて雲頂高度の高い雲が伸びており、これらの雲は全体的に東~東北東へ移動している。
関東地方南部には雲頂高度が低く厚い雲が広がっている。雲頂表面は比較的滑らかで層状雲が広がっているものと思われる。

◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

・850hPa面
カムチャッカ半島の南には地上低気圧に対応する低気圧があり、ここから温度集中帯が関東~九州を経て、華南まで伸びている。これに沿うように湿潤域が広がっている。等高度線が朝鮮半島付近から九州の西、日本の南海上から関東の東海上に伸びているが、これに沿うようにかぜが吹いている。関東地方は南よりの弱い風で暖気移流場になっており、一方九州では北よりの風で寒気が流入している。

・700hPa面
カムチャッカ半島の南に低気圧があり、またその西側の華北かけて低圧部が伸びている。このため、日本付近は等高度線が西南西から東北東方向に伸びており、これに沿うように、九州から東北地方にかけて西南西風が卓越している。朝鮮半島から日本海西部にかけてと九州南部から関東地方南部にかけての太平洋側に湿潤域が広がっている。

・500hPa面
カムチャッカ半島の南には低気圧があり、また、モンゴル付近にも別の低気圧がある。これらをつなぐように低圧部が伸びており、日本付近では等高度線が西南西から東北東方向に伸びている。これに沿うように九州から北海道にかけて西南西から西風が吹いている。太平洋側では湿数が大きく空気が乾燥しているが、日本海側では湿数が1~2度程度と小さくなっており湿った空気が広がっている。

・300hPa面
カムチャッカ半島の北から中国東北区にかけて低圧部が伸びている。気圧の谷が中国大陸にあって、日本付近はその東側にあたる。等高度線が西南西から東北東方向へ伸びており、日本付近は西南西の強い風が吹いている。

関東地方上空は地上付近では北東風が吹いているおり寒気が流入しているが、850hPa面では南よりの風で暖気が入っており、700hPa面より上空では西南西風で温度移流はほとんど起こっていない。この高度付近では南よりの風が吹いており、この風に伴って湿った空気が流入していると思われる。

◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

831hPa高度(高度1668m付近)から700hPa高度(高度3046m付近)にかけて湿数3度以下の湿潤層がある。それより上空は湿数が大きく乾燥した空気が広がっている。また、湿潤層より下の層では東よりの風が吹いており、相当温位はほぼ一様で安定度は中立から安定となっているが、925hPa高度付近と湿潤層の上端付近の700hPa高度付近では不安定となっている。

◆まとめ


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by y_hirarin5 | 2015-11-25 23:59 | 今日の雲

日本の南海上に前線が停滞、前線上の低気圧が接近(層雲)

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【2015年3月16日午前9時】
@横浜市戸塚区
曇り
全天を厚い雲が覆っているが、雲の薄いところからときどき日が射している。

午前9時現在、横浜では気温8.8℃、北北西の風2.8m/s、湿度68%

◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

 紀伊半島の南には低気圧があって東北東へ進んでいる。停滞前線が華南から伸び、低気圧の中心を通って小笠原諸島付近に達している。一方、朝鮮半島には高気圧があって東へ移動している。また、日本のはるか東と華南にも高気圧があって、それぞれ東へ移動している。
 関東地方は高気圧の圏内に入っているが、西から低気圧が近づいている。

◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 この時間は、九州南部から南西諸島北部と紀伊半島南部、静岡県や伊豆諸島と北海道の一部で降水が観測されている。降水量は午前9時までの1時間に南西諸島で~20mm程度降っている。

 雲の分布をみると、東シナ海から日本の東海上にかけて帯状の雲が伸びており、東北地方南部から九州までこの雲に覆われている。中国地方や紀伊半島の南、伊豆諸島付近にある雲は発達している。関東地方南部はこの発達した雲のすぐ北側の、比較的雲が薄い部分に入っている。

 地上風をみると、南部は沿岸域を中心に1~3m/sの弱い北よりの風が吹いている。下層風は高度1~2km付近で西南西の風となっている。

◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 500hPa面を中心に、気圧の谷が沿海州から日本海北部にかけて、気圧の尾根が北海道の東にある。一方、そこから離れた関東から西の太平洋側では気圧の尾根や谷はなく、西南西~西風が吹いている。850hPa面においては南西~西南西風に伴って湿った暖かい空気が西日本上空に流入している。また、700hPa面や500hPa面でも関東から西の太平洋側に湿潤域がみられる。これが気象衛星でみられた雲域と一致している。700hPa面の鉛直流をみると、西南西風に伴う暖湿空気が流入しているところに上昇流場がみられる。

◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 地上から810hPa高度(高度1933m付近)までの下層と412hPa高度(高度7106m付近)より上空の上層は相対湿度50%以上となっているが、その間では相対湿度は非常に低く乾燥している。また、下層には逆転層が3つあり、一番下のものと真ん中のものの間に相対湿度90%以上の湿潤層がある。また、上層にも薄い湿潤層がある。風は地上から一番下の逆転層までは北から東よりの風、湿潤層を含む真ん中の逆転層までは西よりの風、それより上空に薄い東よりの風の層があって、810hPa高度より高高度では西よりの風と、めまぐるしく風が変化している。
下層では気温が層ごとに変化して逆転層もあるために、相当温位も変化が大きい。881hPa高度付近と801hPa高度から700hPa高度にかけて相当温位がその上下の層と比べて低い層がある。


◆まとめ

 日本の南海上に前線が停滞しており、前線上を低気圧が東へ進んでいる。前線のある関東から西の太平洋岸上空は、気圧の尾根や谷がなく東西風が吹いている。下層は前線に向かって西南西風に伴って湿った暖かい空気が流入しているが、中層は前線の北側から乾燥した空気が流入している。一方、上層は薄い湿潤層がみられる。前線に沿ってところどころ発達した雲がみられるが、関東地方南部上空はその北側にあたる。下層の湿潤層は前線に沿って吹く西よりの風に伴って流入した湿った空気によるものと考えられる。上層の薄い湿潤層は周辺の発達した雲からのものと思われる。


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by y_hirarin5 | 2015-03-16 23:59 | 今日の雲

低気圧と温暖前線の前面で曇り(層雲)

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【2015年2月17日午前9時】
@横浜市戸塚区
曇り
弱い雨がぽつぽつと降り始めたところ。全天を厚い雲が覆っている。ときどき雲がサッと薄くなって空が明るくなることもあるが、曇りなのには変わりない。

午前9時現在、横浜では気温5.5℃、北の風2.9m/s、相対湿度65%


◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

 午前9時現在、潮岬の南には低気圧があって東へ進んでいる。中心から温暖前線が小笠原諸島の北へ伸び、寒冷前線が南西諸島に達している。また、日本海西部にも低気圧があって東へ進んでいる。一方、揚子江河口付近には高気圧があって東へ移動している。日本付近は気圧の谷の中に入っている。関東地方は低気圧や温暖前線の前面にある。

◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 アメダスで降水分布を見ると、中国地方や三重県から中部地方と山梨県で1時間に~5mm以下の弱い降水を観測している。

 雲の分布を気象衛星の画像でみると、九州や四国など西日本の一部を除いて全国的に雲に覆われている。このうち、東北地方南部から中国地方にかけて広がる雲は、西ほど雲頂高度が低く厚い雲で構成されており、一方東北地方南部から関東地方北部や長野県付近にかかる雲は雲頂高度が高くて比較的薄い雲でできている。これらは全体的にゆっくりと東へ移動している。関東地方南部には、雲頂高度が高い対流雲と雲頂高度の低い層状雲が混在している。

 風の分布をみると、地上風は東部や南部の沿岸域では北よりの風が吹いている。内陸部は東よりの風となっている。下層風は、高度1km付近では東よりの風が吹いているが、2km付近で南~西よりの風に変わり、3kmでは西よりの強い風が吹いている。

◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 500hPa面をみると、朝鮮半島の北に地上低気圧に対応する上空の低気圧がみられ、中心付近に-30℃以下の寒気を伴った寒冷低気圧である。それに対して、北海道からカムチャッカ半島南部にかけて高圧帯が伸びており、こちらは暖気を伴っている。関東地方はその南側にあたり、東西に流れる強風軸の中に入っている。下層は850hPa面では地上低気圧に対応する低気圧は見られない。しかし、前線に対応する温度集中帯が日本の南海上にあって、地上低気圧の西側にあたる西日本では北西から西北西風が吹いて寒気移流場になっており、低気圧の東側の関東付近では南西風が吹いて暖気移流場となっている。また、温度集中帯周辺は空気が湿っている。700hPa面では中部地方から関東地方上空で暖気移流場となっており、湿潤空気が広がっているが、西日本上空は弱い寒気移流場で空気が非常に乾燥している。地上で雪の降る目安となる850hPa面での-6℃の等温線は東北地方北部を通っている。

◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 ・湿潤空気
 925hPa高度(高度752m付近)から910hPa高度(高度882m付近)と750hPa高度(高度2399m付近)から400hPa高度(高度7070m付近)の2つの湿潤層がみられる。また、809hPa高度(高度1809m付近)にも湿度の高いところがみられる。
・温度構造
 707hPa高度(高度2858m付近)から683hPa高度(高度3126m付近)に等温層があり、その下の738hPa高度から合わせて逆転層になっている。
・その他
 地上付近は北から東よりの風が吹いて空気が湿っている。下層の湿潤層はこの風に伴う湿潤空気の輸送によるものと思われる。一方、中層の厚い湿潤層では、南から西よりの風が吹いている。

◆まとめ(箇条書きで)

・下層は薄い湿潤層、中層には厚い湿潤層がある。
・下層の湿潤層は、北から東よりの風に伴う湿潤空気の輸送による
・中層の湿潤層は、南から西よりの風に伴う湿潤空気の輸送と、700hPa面での上昇流場によって、下層の空気が中層に運ばれたことによる?→発達した対流雲
・700hPa高度付近に等温層→強い暖気移流による?
・850hPa面の温度は-6℃より高い
・950hPa高度付近で0℃、それより下の層は相対湿度が70%以下と乾燥していたために雪は解けずに降ったところがあった?


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by y_hirarin5 | 2015-02-17 23:59 | 今日の雲

高気圧の南側 冷たい雨

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【2015年1月21日午前9時】
@横浜市戸塚区
みぞれ
全天を厚い雲が覆っており、そこから弱い雨が降っている。雨は短い時間で降ったりやんだりしており、また、時折白い雪が混じっている。雲は白くぼんやりとしており、ところどころに灰色の雲が混じっている。
午前9時現在、横浜では気温2.4℃、北の風4.9m/s、降水量0mm


◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

  三陸沖には高気圧があって南東へ移動している。一方、静岡県沖には低気圧があってほとんど停滞している。また、黄海にも低気圧があって東北東へ進んでいる。関東地方は高気圧の南側で、特に南部は低気圧に近い。

◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

  この時間は、北海道から東北地方北部の日本海側と関東地方、当会から西の地方に雲がかかっている。関東地方の雲は雲頂高度の低い雲で、雲の表面が比較的滑らかとなっており、層雲と考えられる。この雲は、今日の日付が変わったくらいから静岡県付近にあったものが次第に東に移動しながら関東地方全体に広がってきている。

 午前9時までの1時間の降水をみると、九州や伊豆半島から神奈川県南部の沿岸域を中心に弱い雨が降っている。

 関東地方の風の分布をみると、地上風は内陸から南部沿岸に向かって北よりの風が吹いており、特に東京湾や相模湾周辺で5m/s以上の風が吹いている。ウィンドプロファイラデータで下層風をみると、高度3km付近は南西から西南西の10m/s程度の風が吹いているが、高度1km付近では東よりの風になっている。鉛直分布をみると、南部の勝浦では高度2kmより下層では東よりの風となっているが、2km付近から風向きが変わり、3km付近では西よりの風になっている。北部2地点の水戸や熊谷では風向きが変わる高度がやや低くなっており、東よりの風の層は南部に比べて薄くなっている。

◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

  大きく見ると、黄海付近にあった地上低気圧に対して、中国東北区に大きな気圧の谷があり、500hPa面において-30℃以下の寒気を伴っている。日本付近はこの気圧の谷の前面にあたり、全般に南西から西南西の風が吹いている。700hPa面において、西日本に湿潤空気が流入しており、一方で東日本上空は空気が非常に乾いている。しかしそれより下層の850hPa面をみると、北海道東部や関東地方から小笠原諸島付近の空気も湿っており、それぞれ気象衛星でみられた雲に対応している。
 地上天気図でみられた高気圧は、高層天気図には現われておらず、背の低い高気圧であることがわかる。静岡県沖の低気圧も上空の天気図には現われていないが、低気圧の東側に暖気の流入が見られる。

◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 地表面付近は1019hPa高度(高度99m)付近まで北よりの風、1000hPa高度(高度245m)付近から905hPa高度(高度1043m)付近までは東よりの風に変わっており、それより上空では南よりの風から西よりの風が吹いている。
 666hPa高度(高度3436m)付近に逆転層があり、それより下層は湿っている。特に925hPa高度(高度870m)付近から721hPa高度(高度2827m)付近まで相対湿度が90%以上となっており、気象衛星から見えた雲はこの湿潤層に相当するものと思われる。


◆ まとめ
 高気圧の南側に背の低い低気圧が発生している。その低気圧の前面に広がる層雲域の、特に伊豆諸島から神奈川県の沿岸域など、南側で降水が観測されている。雲は西から接近する低気圧や上空の気圧の谷とはまったく別に発生している。高度3400m付近に逆転層があり、その下層で東風が吹いており厚さ2000m近くの湿潤層がみられる。さらに地表付近では北よりの風に伴って、内陸から冷気が流出しているために気温が上がらなかったために、雨にときどき雪が混じっていた。

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by y_hirarin5 | 2015-01-21 15:52 | 今日の雲

冬型の気圧配置へ 下層は東よりの風が流入(層雲)

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【2014年2月4日午前9時00分】
@横浜市戸塚区
弱い雨
全天を厚い雲が覆っており、そこから弱い雨が降っている。雲は小さな黒い下層の積雲もみられる。

午前9時現在、横浜では気温7.0℃、東北東の風5.6m/s、湿度71%


◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

オホーツク海には低気圧があって北北東へ進んでいる。停滞前線が伊豆諸島南部から日本の東海上を通ってカムチャッカ半島の南へ達している。この前線上の日本の東海上には低気圧があって北東へ進んでいる。日本の南東海上から温暖前線と寒冷前線が延びている。

一方、バイカル湖の南には高気圧があって東南東へ移動している。日本付近は冬型の気圧配置になっている。



◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

カムチャッカ半島の南から小笠原諸島の南にかけては前線や低気圧に伴う厚く雲頂高度の高い発達した帯状の雲が伸びている。一方、黄海や日本海には寒気の吹き出しに伴う筋状の雲が広がっている。北海道から九州にかけての日本海側にはこの一部がかかっている。

一方、東北地方の太平洋側から関東地方にかけては雲頂高度の低い、厚い雲が広がっている。これらの雲は全体的にゆっくりと東へ移動している。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

850hPa面:オホーツク海には地上低気圧に対応した低気圧があり、そこから気圧の谷が2本伸びている。1つは日本の東海上から小笠原諸島の東にかけて、もうひとつは北海道から西日本に伸びている。日本の東海上の停滞前線に対応する温度集中帯がカムチャッカ半島付近から関東、吸収付近を通っている。風は全般に北よりで寒気移流場となっているが、関東上空は南よりの風で暖気移流が起こっている。日本海側の地域と関東地方上空は雲域に対応する湿潤域が広がっている。

700hPa面:オホーツク海に地上低気圧に対応する低気圧がある。そこから気圧の谷は日本海から西日本上空に伸びている。北日本は西よりの風で寒気移流場となっているが、その他の地域では西よりの風で等温度線に沿って風が吹いており、温度移流がほとんど発生していない。中国地方から北陸地方と東北地方南部にかけては湿潤域が広がっている。また、850hPa面の温度集中帯に沿って上昇流場となっている。

500hPa面:オホーツク海に地上低気圧に対応する低気圧がある。気圧の谷がその西側の沿海州から日本海西部に伸びている。寒気の中心は低気圧の西側にあり、-48℃となっている。この気圧の谷を回り込むように強風軸が伸びている。日本付近では空気は非常に乾燥している。気圧の谷に伴って北海道と東北地方と北陸から西の日本海側は正渦度場となっているが、関東地方上空は負の渦度場となっている。

300hPa面:シベリア東部から日本海西部にかけて気圧の谷が伸びている。これを回り込むように西日本から北海道にかけて強風軸が伸びている。


オホーツク海の低気圧は背が高く500hPa面上まで見られる。一方、日本の東海上の低気圧は高層天気図上には現れておらず、背の低い低気圧である。日本上空は停滞前線に対応した温度集中帯が伸びており、これに沿って上昇流場と湿潤域が広がっている。一方で、中層500hPa面上は空気は非常に乾燥しており、また関東地方は負の渦度場で上空まで雲が発達しにくい状態となっている。


◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

地上から925hPa高度付近までは空気は乾燥しているが、そこから700hPa付近は厚い湿潤層となっている。925hPa高度から850hPa高度付近まで逆転層となっており、またその上にも等温層が見られる。700hPa高度より上空は乾燥している。下層925hPa高度までは東よりの風となっているが、850hPa高度付近は南よりの風、700hPa高度より上空は西南西風が卓越して吹いている。持ち上げ凝結高度は928hPa高度となっている。

◆ その他

午前9時現在の地上風の分布を見ると、関東地方は全般に東よりの風となっている。茨城県から千葉県と神奈川県東部では北東風となっており、ところどころで10m/sを超えている。内陸側の埼玉県や東京都では東風が吹いている。


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by y_hirarin5 | 2014-02-04 23:59 | 今日の雲

低気圧は東海上へ、日本海北部に上空の気圧の谷(層雲)


【2011年4月13日午前8時56分】
@横浜市戸塚区
曇り
低い雲が全天に広がっている。雲は薄い灰色で、表面には縞模様が見える。また、その雲の下には小さな積雲系の小さな雲が浮かんでいる。

午前9時現在、横浜では気温20.1℃、西北西の風1.6m/s、湿度88%

地表面に近い層は下層ほど相当温位が低く、安定した大気になっている一方で、その上空では対流不安定層となっている。地表面に近い層とその上の層では空気が混ざりにくくなっている。予想では日中の気温は29℃(確か前日の予想)と高くなると聞いていたが、最高気温は午前11時に23.6℃に記録。それほど高くはならなかった。



◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

 三陸沖には低気圧があって北東へ進んでいる。中心から温暖前線が日本のはるか東に達し、寒冷前線が伊豆諸島南部を通って、南西諸島の南に達している。また、日本海北部には別の低気圧があって北北東へ進んでいる。中国東北区には低気圧があって東へ進んでいる。関東地方は、手三陸沖の低気圧から伸びる気圧の谷の中に入っている。


◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 新潟県と東北地方から北には低気圧に伴う雲が広がっている。雲頂高度の高い発達した雲は、低気圧の北側に広がっており、一部が北海道にかかっているほかは、大部分が雲頂高度の低い厚い雲で構成されている。また、中国地方から西には華南から伸びる帯状の雲が伸びている。

 関東地方は南部を中心に雲頂高度の低い雲に覆われている。

 この時間は新潟県から北に地方で降っており、午前9時までの1時間に多いところで~10mmの降水を観測している。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 日本付近は大きな気圧の谷の中に入っている。細かくみると、下層では日本海北部に、中~上層には沿海州南部付近に地上低気圧に対応した上空の低気圧がある。また、下層850hPa面ではそこから関東の東海上まで気圧の谷が伸びている。上空の低気圧は寒気を伴っており、上空は西よりの風が吹いて、下層を中心に寒気移流場となっている。

 関東地方上空は、気圧の谷の前面にあたり、西よりの風が吹いているが、等温線と平行に風が吹いているために温度移流はほとんど起こっていない。下層850hPa面では、三陸沖の低気圧の通過に伴う暖気移流の影響で、南部を中心に暖かい空気に覆われているが、西よりの風で寒気が入り始めている。空気は下層から上層まで乾燥している。700hPa面の鉛直流は上昇流場、500hPa面の渦度は負となっている。


◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 地上付近は891hPa高度(標高929m付近)を境に2つの異なった性質の空気に覆われている。地表面に近い層は相当温位が低いが相対湿度の高い湿った空気に覆われている。一方、891hPa高度より上空は厚さ250mほどの空気が乾燥した逆転層になっている。持ち上げ凝結高度は946hPa高度で湿潤層に中にある。一方、自由対流高度は存在しない。


◆下層の風(ウィンドプロファイラ)

 水平分布は1km高度から3km高度までいずれも関東地方上空ではほぼ西よりの風が吹いている。一方、鉛直分布をみると、東部沿岸域の最下層で東よりの風が吹いていることが分かる。


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by y_hirarin5 | 2011-05-13 23:59 | 今日の雲

南海上を低気圧が通過、朝方降雪(層雲)


【2011年2月9日午前8時52分】
@横浜市戸塚区
曇り
 全天を厚い雲が覆っている。つい数10分前までこの雲から霙が降っていた。雲底の表面は滑らかで凹凸や雲の輪郭はまったく分からない。この後午後にかけて急速に晴れていき、雲ひとつない青空が広がった。

午前9時現在、横浜では気温2.5℃、北北西の風4m/s、湿度87%、降水量0.5mm

 南海上を低気圧が通過。前日の天気予報では雨となっていたが、今朝起きたら雪が少々積もっていた。
 850hPa高度の気温は-1.3℃と雪が降るには高すぎるが、低気圧北側の東よりの風でその下の層に冷たい空気が流入し、さらに地上付近は内陸からの冷気移流で気温が下がったため、雪、または霙になったものと考えられる。


【詳細解析】
◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

 オホーツク海には低気圧があって北へ進んでいる。また、千葉県南東海上には前線を伴った低気圧があって東北東へ進んでいる。中心から温暖前線が日本の東海上に伸び、寒冷前線が伊豆諸島を通って四国の南に達している。また、輪島沖には別の低気圧があって東へ進んでいる。日本付近は気圧の谷の中に入っているが、西から高気圧が張り出してきている。


◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 全国的に雲に覆われている。このうち、日本の南東海上に低気圧に伴う雲があり、雲の主要部分はほとんどが海上に出ているが、一部が関東や東北地方にかかっている。雲は厚く雲頂高度は中層に達している。また、日本海にも低気圧に伴う渦状の雲がみられるが、こちらは下層雲が主体となっている。低気圧の西側には寒気の吹き出しに伴う下層の対流雲が出ている。

 関東地方は全域が厚い雲に覆われている。内陸を中心に雲頂高度の高い雲がかかっているが、南部沿岸域の雲は低い。

 降水分布を見ると、この時間は東北地方南部から関東甲信、伊豆半島にかけてと、北陸から近畿、山陰を中心に降っている。午前9時までの1時間に多いところで~5mmの降水を観測している。地上気温だけで判断すると、大部分で雨となっていると思われる。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 オホーツク海北部とシベリア東部に上空の低気圧がある。前者は地上低気圧から伸びる背の高い低気圧だが、後者は上空のみに見られる寒冷低気圧で中層に特にはっきりと現れている。これらの低気圧は中心付近にそれぞれ寒気を伴っている。また、そこから気圧の谷が伸びている。この気圧の谷は、下層では千葉県南東海上の低気圧のすぐ西側に伸び、中層~上層にかけては日本海に向かって伸びている。

 関東地方上空は、前者の気圧の谷の中に入っており、下層850hPaでは南よりの風が吹いて暖湿空気が流入している。700hPa面より高高度では西よりの風が吹いて温度移流はほとんど発生していないが、空気は非常に湿っている。500hPa面の渦度は、気圧の谷の通過により、強い正渦度場となっている。700hPa面の鉛直流は上昇流場になっているが、すぐ西側の東海地方には下降流場となっている。


◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 地上~660hPa高度(高度3325m)まで厚い湿潤層となっており、それより高高度では空気は乾燥している。940hPa高度から厚さ90m程度の逆転層がみられる。地上付近は北よりの風が吹いているが、逆転層のある940hPa高度付近は東よりの風、逆転層より上の850hPa高度付近では南よりの風、それより高高度では西よりの風が吹いている。

 アメダス風の分布をみると、地上風は関東地方で全般に北よりの風となっている。南海上に低気圧があって、この影響で東よりの風が吹いているが、地上付近にごく薄い北風が吹いている層がある。これは内陸部からの冷気流と思われる。850hPa高度付近は南よりの風で暖湿空気が流入し、それより高高度では西よりの風でかつ上昇流場となっている。南よりの風で湿潤空気を補給しつつ、西よりの風で雲全体が東へ移動していると思われる。



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by y_hirarin5 | 2011-02-09 23:59 | 今日の雲