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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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気圧の谷が通過~南部上空では弱い気圧の谷&上昇気流場(高積雲)


【2009年3月7日13時26分】
@横浜市港北区
晴れ
幅の大きな長い高積雲が浮かんでいるが、次第に小さくなって青空が増えていった。写真の雲は中心付近が暗くなっており周辺は白く輝いている。また、雲の周辺にはごく薄い白いもやもやしたものがあった。
午後1時現在、横浜では気温14.7℃、北北東の風1m/s、湿度32%






◆天気概況:地上天気図

午前9時現在、サハリンの西には980hPaの低気圧があって北北東へ進んでいる。また、北海道の南東海上には前線を伴った発達中の低気圧があって北東へ進んでいる。中心から延びる寒冷前線は小笠原諸島の南に達し、そこから停滞前線が台湾の南東に延びている。代わって、東シナ海北部には高気圧があって西日本に張り出している。北日本は低気圧の近くで等圧線が混んでいる。


◆雲と降水:気象衛星、レーダーアメダス解析雨量他

午後1時半現在では、サハリンの西に低気圧に伴う渦状の雲があり、その東側から日本のはるか東海上を南北に雲頂高度の高い雲バンドが延びている。また、寒冷前線や停滞前線に沿って雲バンドが日本の南海上を通って中国南部に達している。東シナ海から中国南部の東部沿岸域ではこの雲バンドの一部が北に盛り上がっている。

日本付近は北陸から北の日本海側では寒気の吹き出しに伴って下層雲が広がり、特に北日本ではその雲は太平洋側まで達している。また、若狭湾から伊勢湾にかけても小さな下層の対流雲が並んでいる。そのほかの地方は雲はほとんどないが、九州から中国・四国の西部にかけては東シナ海西部の雲から上層雲が広がりつつある。

関東地方は東京湾周辺に小さな下層雲がみられるほかは雲は確認できない。


◆高層大気の状態:高層天気図、高層気象観測データ、ウィンドプロファイラデータ他

午前9時現在、サハリン西方海上の上空には地上低気圧に対応する上空の低気圧や気圧の谷があるが、中心を結ぶ渦管はほぼ垂直に立っているために、地上低気圧はこれ以上発達しないものと思われる。一方、この低気圧の東側のカムチャッカ半島とその南には深い気圧の尾根がある。これらの間の北海道の東から千島付近にかけては、下層で南から暖気が大きく移流している。この暖気移流の東側半分と低気圧の北側に湿潤域が広がっている。

日本付近は北日本を気圧の谷が通過している。このため上層では西南西風が、下層では西~西南西風が卓越している。一方、気圧の谷が遠ざかった関東から西の地方は下層で北西風の寒気移流場、中層から上層にかけては西~南西の強い風が吹いており、上層の強風軸は西日本から関東地方北部を通って日本の東海上へ抜けている。

関東地方は気圧の谷が抜けて寒気移流場になっている。北部内陸では下降気流場になっているが、南部では中層が正渦度場になっており、その下層で上昇気流が発生している。朝のうちは雲が多く、昼ごろにかけても高層雲を中心に雲が残ったのは、この影響と思われる。


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by y_hirarin5 | 2009-03-07 23:59 | 今日の雲
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