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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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西から冬型の気圧配置へ(巻雲+積雲のちぎれ雲)


【2009年1月10日12時16分】
@神奈川県鎌倉市
晴れ
小さな厚い雲は下層の積雲のちぎれ雲で北から南に速い速度で移動している。薄いもやもやと輪郭がはっきりしない雲はそれより上空の雲で、こちらはほとんど移動していない。
午後12時現在、横浜では気温11.3℃、北西の風4m/s、湿度38%


◆天気概況:地上天気図

午前9時現在、昨日日本の南海上にあった低気圧は発達しながら三陸沖に進み、さらに北北東へ進んでいる。また、日本海中部にあった低気圧は日本海北部に達しさらに北北東へ進んでいる。一方、大陸には高気圧があってほとんど停滞し、西日本の張り出しつつある。日本付近は西から冬型の気圧配置に変わりつつある。


◆雲と降水:気象衛星、レーダーアメダス解析雨量他

午後12時半現在、三陸沖には低気圧に伴う渦状の雲がみられる。その中でも特に北側と西側の雲は雲頂高度が高くて発達しておりまた厚くなっている。また、低気圧の北側から日本のはるか東海上を通ってそこから南西の延びる雲バンドもところどころ雲頂高度の高い雲が混じっている。

日本付近は、黄海、東シナ海、日本海と日本海側の地方、日本の南海上に寒気の噴出しに伴う下層の筋状雲が広がっている。

関東地方は東北地方南部の太平洋側から東海地方まで広がる晴れ間の中にあるが、東部沿岸域や山岳域を中心に小さな対流雲が発生している。また、小さな上層の薄雲が一部に残って西から東に移動している。房総半島の南から東に帯状雲が延びている。写真の雲は薄い上層雲の一部と下層に発生した対流雲の一部と思われる。


◆高層大気の状態:高層天気図、高層気象観測データ、ウィンドプロファイラデータ他

午前9時現在では、三陸沖の地上低気圧は上空700hPa面(3000m付近)まで達する背の低い低気圧だが、日本海北部の低気圧は中心の北西側に強い寒気を伴った中上層の寒冷低気圧を伴っている。

下層では低気圧がひとつ太平洋上に抜け、そこから延びる気圧の谷が関東地方に達している。このため、日本付近は西よりの風が卓越して寒気移流場となっている。一方、中上層では上空の低気圧が沿海州にあって、そこから延びる気圧の谷は北陸地方に達している。日本付近は中上層の気圧の谷が通過中で西南西風が卓越している。上層の強風軸は東シナ海南部から日本の南海上を通って、関東の南東海上に達している。

関東地方上空は、南部に地上の気圧の谷があり、上空は下層で気圧の谷の後面、中上層では気圧の谷の前面にあたる。地上の気圧の谷に近い南部では下層で上昇流場となり、一方で北部では下降気流場となっている。また、全般に中層の正渦度領域に入っている。ウィンドプロファイラデータによれば、上空は高度3km付近まで全般に北西風が強く吹いている。


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by y_hirarin5 | 2009-01-10 23:59 | 今日の雲
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