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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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停滞前線の南側 暖気移流場(層積雲&積雲)


【2008年12月21日16時02分】
@横浜市港北区
晴れ
夕日に映えた層積雲の夕映え雲。その上空には白い高積雲が見える。手前に小さなちぎれ雲がみえる。
午後4時現在、横浜では気温18.1℃、南西の風8m/s、湿度58%


◆天気概況:地上天気図

午前9時現在、日本のはるか東海上には高気圧があって東へ進み、勢力を日本の南海上に残している。一方、オホーツク海には低気圧があり、そこから延びる寒冷前線が北海道の南東海上を通って東北地方北部に達している。また、そこから停滞前線が鳥取県沖の日本海にある低気圧の中心から九州北部を通って東シナ海北部に達している。この停滞前線上の低気圧は次第に東北東に進み、停滞前線そのものもゆっくりと南下している。これら気圧の谷の西の大陸上には優勢な高気圧があって南東へ進んでいる。


◆雲と降水:気象衛星、レーダーアメダス解析雨量他

午後4時現在、茨城県と関東地方南部、静岡県以外の地域は前線に伴う厚い雲に覆われている。雲は団塊状のものが風に流されたように北東方向に伸びており、そういったものが多く観られる。全体的に雲頂高度が高い雲が多くなっており、また厚くなっている。


◆高層大気の状態:高層天気図、高層気象観測データ、ウィンドプロファイラデータ他

午前9時現在、オホーツク海とカムチャッカ半島の東には低気圧があり、オホーツク海低気圧から延びる気圧の谷は日本海を通って黄海に達している。この気圧の谷は中心付近に強い寒気を伴っている。一方で、日本の南海上から東海上にかけて高気圧があって暖気を伴っている。このため、この間の日本海では南北間の温度差が大きく、強い温度集中帯を形成している。日本付近はこの気圧の谷の前面にあたるため、全般に強い南西風が卓越し、日本海側では前線に沿って湿潤空気が流入している。上層の強風軸は、日本の南海上と日本海北部からオホーツク海にかけてのものの2つ存在し、後者が日本海の前線に対応している。
下層への暖気移流は太平洋側を中心に発生している。それは日本海に前線が停滞しているために、日本海上では温度集中帯に平行して風が吹いているために温度移流がほとんど発生しなかったことがあげられる。一方、太平洋側では南側の暖気場から南西風に伴って強い暖気移流が発生したために気温が上がったと考えている。

午後4時現在の地上データをみると、関東地方では埼玉県から茨城県南部付近に風の収束帯があり、それより南では沿岸域を中心に10m/sを越える南よりの風が吹いており、一方で北側では弱い北よりの風となっている。この風の収束帯を境に南側では気温が高く、夜中にかけてもところによって20℃を超えていた。北側では日が落ちると気温が下がり10℃となっていた。
ウィンドプロファイラデータでみると、どの高度でも全般に南西風が強く吹いているため、地上だけの特徴と言える。
この傾向は関東から西の太平洋側の、九州南部、四国の南部、紀伊半島南部、愛知県西部から静岡県にかけてもみられた。総観規模天気図(普通の地上天気図)でみられる停滞帯前線の位置は日本海上にあるので、これとは別の総観規模のシステムがあったと考えられるが、特に地上天気図としては解析されなかったとみられる(理由はよく分からない)。

話が大分逸れてしまったが、写真の雲は強い南風に伴う暖気の流入により発生した対流雲だと言える。
余談だが、この雲は数分のうちに次々と発生していったのも特徴として挙げられる。


[16時02分:上の写真の数10秒後]


[16時04分]




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by y_hirarin5 | 2008-12-21 23:42 | 今日の雲
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