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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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秋田県八郎潟で突風害

今日は雲写真を撮り損ねたので、天気ニュースから秋田県八郎潟での竜巻について。

昨日2日午前8時半ごろ秋田県八郎潟で竜巻らしき突風が発生し、家屋の損壊やけが人が出たそうです。
詳しくはこちらから↓
突風 秋田・八郎潟で竜巻か 12棟に被害、2人けが
(Yahoo! ニュース)

昨日の天気概況はこちらから↓
大規模な東西風に沿った正渦度場と上層雲(巻雲) いま、そこにある雲(2008年11月2日更新分)

概要だけ書くと、日本海北部に低気圧がありそこから南に延びる気圧の谷が午前8時から午前9時の間に秋田県男鹿半島付近を通過した。これはアメダスで風のデータから男鹿半島付近で午前8時から午前9時の間に南よりの風から西よりの風に変化したことから判断した。雲そのものは、気圧の谷付近に下層から中層の厚い雲があってこれが日本海から東北地方上空を通過している。これに伴ってこの付近では、午前6時台から雨が降り出し、午前8時までの1時間に11mmの強い雨を観測した。


高層気象観測データ@秋田:47582
11月2日午前9時現在

さて、高層気象観測データを一応エマグラムという大気状態を表現する図で表してみたのが上図になる。なにやら線がたくさん書いてあるが、この図はこれだけでいろんなことが分かる。が、ここでいいたいのはやや太目の実線2本のことで、線の右側が気温、左側が露点温度を示している。いま、この2本の線はいずれの高度(高度は気圧高度:hPaで示す)で見ても両者の間の距離が近くなっている。これは観測されたいずれの層でも空気が飽和に達していることを示している。こういう図は雷雨などの激しい気象現象が発生するときによく見られる。しかし、雷雨の発現の指標としてよく使われるCAPE(対流有効位置エネルギー:大気が自発的に上昇をし始める高度=自由対流高度~上昇力がなくなる高度=中立浮力高度までの浮力の合計)は0となっている。要するに大気の潜在的なものとしては、それほど高高度まで雲が発達できないということを示している。しかし、一方で、高層天気図を見ると、秋田県付近は下層で強い南よりの風による暖湿空気の流入と日本海から移動してきた正渦度場により下層から中層の間では強い上昇気流を生じており、それによって中層付近までは雲が発達して地上に激しい雨を降らせたものと考えられる。

今回は、総観規模場での解析を行なった。こちらでは局地気象データは特に解析をしていないので、気象庁からの報告、または他のブログさん等を参考にしていただければ幸いと思う。

ちなみに、竜巻の発生を監視できる有用な手法としてはドップラーレーダーが挙げられる。現在、気象庁気象研究所ではドップラーレーダーを用いた調査研究が行われているようである。
※ 参考:ドップラーレーダー:庄内空港に今冬も 突風の解明期待--気象庁研究所 /山形 毎日新聞


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by y_hirarin5 | 2008-11-03 23:59 | お天気ニュース
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