人気ブログランキング | 話題のタグを見る

いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
タグ
ブログパーツ
検索

深い気圧の谷に伴う暖気移流と強い雨(積乱雲)


【2008年10月24日12時39分】
@東京都目黒区
強い雨
厚い雲が全天を覆って、全体的に暗くなっている。その雲から粒の大きい激しい雨が降っている。一部に雲の色の濃い部分があるが、このちぎれ雲は南から北へ速い速度で移動している。
午後12時現在、大手町では気温22.4℃、南の風3m/s、湿度85%

午前9時現在、紀伊半島南部には前線を伴った低気圧があって東北東へ進んでいる。また、沿海州にも低気圧があり中心から延びる温暖前線が津軽海峡付近、寒冷前線が山陰沖に達している。他、アムール川中流付近とバイカル湖の東にも低気圧があり、日本付近はこれらを結ぶ深い気圧の谷の中に入っている。一方、黄河中流付近には高気圧があって東南東へ移動している。

午後12時半現在は、日本付近の2つの低気圧に伴う雲域は東日本に移ってきている。このうち、雲頂高度が高くて発達した雲は日本海北部から北海道と三陸沖、また東北地方南部の太平洋側から関東地方、東海地方と紀伊半島付近に延びている。また、東北地方から近畿地方の日本海側にある雲は雲頂高度が低く、大部分が下層雲で構成されている。西日本はこれらの雲が遠ざかり日本海側では下層の積雲、四国から九州南部にかけては薄い上層雲がかかっている。この時間の雨は私のいる東京都目黒区某所付近では激しく降っており、気象レーダーの画像で確認すると北東から南西に延びる強いライン状の降水帯の下にある。また、東北地方南部から関東地方北部の太平洋沿岸域でも強い雨が降っているが、これらは雲頂高度の高い発達した雲の下でみられる。また、中部地方から北の日本海側でも1時間に5~10mmの強い雨を観測しているが、こちらは下層雲から降っている。

これらは雲域の東進に伴って次第に東へ移動しているが、東海沖から伊豆半島、関東地方南部にかけては夕方に再び強い雨が降ったところがあり、こちらもライン状の降水帯によるものとなっている。

上空の天気図をみると、2つの低気圧の南側にあたる東海から東の地域で南よりの風が強くなっており、強い暖気移流場となり湿った空気が流入している。一方、近畿地方から西側では西よりの風が卓越している。ウィンドプロファイラデータで午後12時現在のものを確認しても同様だが、特に風速20~30m/sの風の強いところと強い降水域が一致しているように思う。このような上空の強風域はそれより下の大気が水平方向に強い温度勾配を持つときにみられるが、午後12時現在のアメダスの気温分布をみると、神奈川県南部や千葉県で24℃前後、一方では栃木県・群馬県・埼玉県など内陸で18℃前後となっている。雨はその境界にあたる地域で強く降っている。風の分布をみると気温の高い南部から東部沿岸域では強い南西風が卓越しているが、内陸部では北西風の弱い風となっており、内陸で冷えた空気が流出していることを示している。



------------------
日本ブログ村のランキングに参加しています。
よければクリックをお願いします。
やる気がピヨピヨと沸いてきます。

にほんブログ村 写真ブログ 雲・空写真へ

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ
by y_hirarin5 | 2008-10-24 23:59 | 今日の雲
<< 気圧の谷は日本の東海上へ(層雲... 悪天候の兆し(ちぎれ雲) >>


フォロー中のブログ
リンク
最新のトラックバック
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧