肌寒い曇りの日(層雲)

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【2018年4月5日 午前9時05分頃】
@横浜市戸塚区
曇り
 全天を厚い雲が覆っている。雲は全体的に薄い灰色をしているが、ところどころ色の濃い部分がある。風は弱く、日差しがないせいかやや肌寒い。
午前9時現在、横浜では気温13.1℃、東の風4.8m/s、相対湿度61%


●概要

 関東地方南部は、日本海にある高気圧の南の縁にあり、地上付近では南部や東部の海岸で東寄りの風が入りやすい状態となっている。また、カムチャッカ半島の南の低気圧から伸びる寒冷前線が伊豆諸島の東海上に達しており、それに伴う帯状の雲が南部海岸付近にかかっている。東寄りの風の厚さは千葉県館山で地上から1000m付近に達しているが、北ほど厚さは薄くなり、関東北部の水戸や熊谷には見られない。東寄りの風が入らない内陸では上空と同じ西寄りの風が吹いている。雲に覆われているのは東寄りの風が吹いている地域とほぼ一致している。


===気象資料を使って以下のようなことを確認しました===

◆雲の分布(気象衛星可視画像、赤外画像 午前9時現在)

 カムチャッカ半島の南端付近から関東付近にかけて帯状の雲が伸びており、関東南部から静岡県東部を覆っている。この雲は関東付近では雲頂高度が低く、厚みがある。下層から中層の層雲と思われる。この帯状の雲は全体的に東に移動しているが、雲の一番西の端にあたる部分はほとんど位置が変わっておらず、関東付近にかかり続けている。

◆気圧配置と風の分布(午前9時現在)

◇ 風の分布(地上風:アメダス風、下層風:ウィンドプロファイラ)
 まず地上風をみると、茨城県、千葉県、神奈川県、東京や埼玉の東部などで東寄りの風が吹いている。一方、群馬県や埼玉県など内陸では西寄りの風も吹いており、関東北部に風の収束域がみられる。 下層風は高度2㎞より高高度では西寄りの風となっているが、高度1㎞より下層は南部で東寄りの風になっている。この東寄りの風の高度方向の厚さは、千葉県南部の勝浦のデータでみると、およそ地上からおよそ1㎞となっている。一方、内陸の熊谷では全層で西寄りの風となっている。

◇ 気圧配置(地上天気図)
 カムチャッカ半島の南には低気圧があって北東へ毎時65㎞で進んでいる。中心から伸びる寒冷前線が伊豆諸島の東海上に達している。また、九州の北から黄海、揚子江中流にかけて停滞前線が伸びている。一方、日本海には高気圧があって南東へ移動している。 関東地方はこの高気圧の南東側にあたり、東寄りの風が吹いている。

◇ 気圧高度別の風、湿潤域の分布(高層天気図)
 樺太北部に、中心付近に-40℃以下の寒気を伴った寒冷渦がある。この寒冷渦は地上の温帯低気圧につながり背が高い。低気圧の中心位置はどの高度でもほぼ同じ位置あり、今後の発達の可能性はない。関東地方はこの寒冷渦の南側にあたり、上層から中層の強風軸に対しても南側にあたる。また、いずれの高度でも温度移流は小さくなっている。下層850hPa面では、地上の寒冷前線に対応する温度集中帯がカムチャッカ半島の南から東日本を通り、さらに西へと伸びている。関東南部はその南の端にあたる。また、その温度集中帯の南の縁に沿って湿潤域が伸びており、その一部が関東の南海上を通っている。

◇ 風、気温、水蒸気の鉛直分布(高層気象観測データ@館野)

 風の鉛直分布をみると、ウィンドプロファイラデータで見たものと同様に、地上から高度876mまでは東よりの風となっているが、高度1118mより高高度では西寄りの風となっている。湿潤層は西寄りの風の層の下のほうにあり、高度1400m付近で厚さ数10m程度となっている。相当温位の分布から地上から高度181mまでは高高度ほど相当温位が低く対流が起こりやすい状態となっている。エマグラムで見ると、1400m付近の湿潤層の上には逆転層があり、この層を挟んだ上下の層で大気の性質が異なる。上の層は乾燥した西寄りの風が吹いている。一方で下の層は乾燥した東寄りの風が吹いている。


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by y_hirarin5 | 2018-04-05 16:19 | 今日の雲
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