日本海北部に気圧の谷、寒気が流入(高層雲)


【2011年5月17日午前8時56分】
@横浜市戸塚区
曇り
全天が雲に覆われているが、雲の隙間から日が指している。雲には濃淡があって、色の濃い部分はゆっくりと南から北へ移動していた。
午前9時現在、横浜では気温19.2℃、南西の風2.2m/s、湿度69%

 日本海北部には上空の低気圧があり、それに伴う寒気が近づいている。関東上空は気圧の谷の前面で中~上層には強風軸があり、それに伴う上層雲の一部がかかっている。また、地表付近には東部沿岸域に風の収束域があり、東部から南部沿岸域にかけて雲頂高度の低い厚い雲が広がっている。昼ごろにかけては千葉県、茨城県などではライン状の強い降水帯があり、一時大雨警報が出るなど狭い範囲に強い雨をもたらした。午後は北から降水帯南下し、午後4時ごろから強い雨が降った。


◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

 伊豆諸島の東には低気圧があって北東へ進んでいる。華南から停滞前線が南西諸島の南、低気圧の中心を通って日本のはるか東に達している。また、シベリア東部やオホーツク海に低気圧があり、そこから日本海北部や東北地方、関東地方にかけて気圧の谷が伸びている。一方、日本のはるか東には高気圧があって、東へ移動している。また、東シナ海にも高気圧があって西日本に張り出している。



◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 南シナ海から日本のはるか東海上へ帯状の雲が伸びている。雲はその南縁で発達した団塊状の積乱雲がいくつもあるが、それらは日本から遠く南へ離れている。九州南部から関東地方まで帯状雲の一部がかかっており、大部分は上層の薄い雲で構成されているが、伊豆諸島付近から茨城県にかかるものは雲が厚くなっている。

この時間は北海道の日本海側と長野県、伊豆諸島や南西諸島などで降っており、午前9時までの1時間に多いところで~10mmの降水を観測している。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 日本海北部には上空の気圧の谷(下層)や低気圧(中~上層)があり、中心から台湾付近まで気圧の谷が伸びている。また、低気圧の中心付近には寒気を伴っており、500hPa面で-27℃以下となっている。中~上層にかけては全国的に西~南西の強い風が吹いており、上層の強風軸は九州から東北地方まで伸びている。また、下層には日本の南海上に停滞前線に対応する温度集中帯があり、これに沿って湿潤域が広がっている。ただし、湿潤域は本州からかなり南に離れている。本州上は比較的乾燥した空気が流入している。

 関東地方は、気圧の谷の前面にあたり、下層では西よりの風、中~上層では南西風が吹いており、上層は強風軸の中に入っており、風が強くなっている。下層850hPa面では空気は湿っているが周辺の広域の湿潤域とは離れており、単独で存在している。700hPa面、500hPa面では乾燥した空気が流入している。また、中層500hPa面では水平方向の温度集中帯の中に入っている。温度の水平移流はほとんどない状態になっている。500hPa面の渦度は気圧の谷の前面でということもあり、正渦度となっている。700hPa面の鉛直流は全般に下降流場となっている。


◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 931hPa高度から厚さ250mほどの湿潤層があり、また、相当温位が鉛直方向にほぼ一様になっている。これは対流によるものと考えられる。また、持ち上げ凝結高度が934hPa高度となっている。これは湿潤層に対して少し下の高度にあたる。一方、自由対流高度は853hPa高度で、湿潤層トップより500mほど高度が高い。アメダスでこの時間の風の分布をみると、千葉県や神奈川県方面からの南よりの風と内陸や茨城県北部からの北よりの風がちょうど観測地点付近で収束しているのが分かる。この収束に伴う上昇流によって、地表面付近の空気が上昇し、持ち上げ凝結高度に達して湿潤域(=下層雲)が生成されたものと考えられる。また、中層612hPa高度から上の層も大気は比較的湿っており、強風軸に沿ってみられた中~上層の雲に対応するものと思われる。



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by y_hirarin5 | 2011-05-17 23:59 | 今日の雲
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