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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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沿海州に低気圧、上空に強風軸(巻層雲)


【2011年5月16日午後12時09分】
@横浜市戸塚区
晴れ
全天が薄い雲に覆われており、薄っすらと日が差している。この後、徐々に雲が厚くなっていったが、太陽は透けて見えた。

午後12時現在、横浜では気温23.0℃、南南西の風6.1m/s、湿度42%


沿海州には寒気を伴った低気圧があり、日本付近はその前面にあたる。下層には南西風に伴って乾燥した空気が流入し、雲ができにくい状態になっている。一方、上層には強風軸があり、それに沿って湿った空気が流入し、薄い雲が広がっている。



◆ 午後12時現在の気圧配置(地上天気図)

 日本海北部に低気圧があって北東へ進んでいる。中心から気圧の谷が日本海西部に伸びている。また、華南から停滞前線が南西諸島を通って、日本の東海上に達している。前千条の南西諸島付近には低気圧があって東へ進んでいる。一方、日本の東には高気圧があって東へ移動している。高気圧から気圧の尾根が日本の南海上を通って東シナ海に達している。


◆ 午前12時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 日本海北部から沿海州にかけて渦状の雲があり、北海道の西から新潟県沖にかけては、雲頂高度が高く厚い発達した雲列が伸びている。また、中国南部から幅の広い帯状の雲が日本の南海上を通って、日本のはるか東へ達している。雲は厚い雲で構成されており、ところどころ発達した積乱雲が見える。南西諸島や九州南部などにその一部がかかっている。また、朝鮮半島から近畿、関東にかけては上層の薄いジェット巻雲が伸びている。

 関東地方はジェット巻雲がかかっている。全般に薄い雲だが、南部沿岸域の雲はやや厚くなっている。

 この時間は南西諸島や北海道の一部で降っており、午後12時までの1時間に沖縄本島の南部では~50mmの激しい雨を観測している。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 沿海州南部には地上低気圧に対応する上空の低気圧がある。中心付近に寒気を伴っており、500hPa面で-27℃以下となっている。本州付近はこの低気圧の前面にあたり、低気圧を回り込むように西から南よりの風が吹いている。一方、華南から日本の南海上にかけては、下層に地上の停滞前線に対応する温度集中帯があり、それに沿って湿潤域が広がっている。また、温度集中帯の中の東シナ海南部には、地上低気圧に対応する上空の低気圧が850hPa面にのみ見られる。


 関東地方は沿海州南部の低気圧の前面にあたり、南西~西よりの風が吹いている。これに伴って下層は弱い暖気移流場となっており、また、全層に渡って乾燥した空気が流入している。500hPa面の渦度は弱い正渦度、700hPa面の鉛直流は、東部の沿岸域で上昇流場となっているほかは下降流場となっている。上層300hPa面に強風軸があり、ジェット巻雲はこれに沿って分布している。


◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 下層は920hPa高度付近まで比較的湿った層となっており、地表に近い層ほど相当温位が高い対流不安定の状態になっている。持ち上げ凝結高度は902hPa高度となっているが、この高度付近は逆転層で、かつ空気が非常に乾燥している。下層の対流雲ができにくい状態となっている。一方、368hPa高度より上空には比較的湿った空気が流入している。



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by y_hirarin5 | 2011-05-16 23:59 | 今日の雲
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