快晴の空に突如として現れた厚い雲(気圧の谷通過)


【2011年4月25日午後1時33分】
@横浜市戸塚区
午後1時現在、横浜では気温18.8℃、南西の風7.6m/s、湿度30%

 午前中は雲ひとつ見えない青空が広がっていた。また、強い南よりの風が吹いて干した洗濯物が飛ばされそう、布団は吹っ飛びそうなほど。それが午後1時過ぎて曇ってきた。空を見ると、厚い積雲系の灰色の雲。しかし、東や南の空の低い部分はきれいな青空が見えていた。この雲は1時間もしないうちにどこかへ行き、快晴ではないものの雲の少ない青空に戻った。


◆ 午後1時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 北海道の西半分から東北地方にかけては雲頂高度の高い厚い雲が広がっており、岩手県付近から一本のライン状の雲が東北地方、関東地方の太平洋側を通って伊豆半島付近まで伸びている。この雲はひときわ厚く雲頂高度が高い対流雲で、徐々に南東へ移動している。


◆ 地上風の分布(アメダス風):収束域と雲との関係

 地上風の分布を見ると、午前中は関東内陸部で北よりの風が吹いているが、神奈川県や千葉県の南部沿岸域で南西風が吹いており、ところにより10m/s前後の強い風が吹いていた。これらの間の茨城から東京、埼玉にかけては風の収束域があった。ただし、この収束域は気象衛星でみたライン状の雲の位置とは無関係に存在している。この収束域は午後1時ごろまで見られた。


◆ 気圧配置(地上天気図:午後12時現在、高層天気図:午前9時現在)

 地上天気図でみると、午後12時現在で沿海州に低気圧があり、そこから南へ気圧の谷が伸びていた。高層天気図をみると、その西側のシベリア東部に地上低気圧に対応する上空の低気圧がある。この低気圧は中心の南東側から気圧の谷の軸付近に寒気を伴っており、500hPa面で-30℃以下となっている。関東南部では同気圧面で-24℃となっている。風は気圧の谷の前面ということで、全層で南西風が吹いており、乾燥した空気が流入している。また下層は弱い暖気移流場となっている。


◆ 大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 下層は地表に近いほど相当温位が大きく対流不安定の状態になっている。これは比較的相対湿度が高いことによる。また、午前中は晴れて気温も上がったので、対流不安定の状態はさらに強まったものと思われる。持ち上げ凝結高度は903hPa高度で、対流不安定層の中にある。自由対流高度は859hPa高度となっており、高度としては高い。


◇ まとめ

 地上から上層へと続く背の高い気圧の谷が午後にかけて東日本を通過した。気圧の谷に伴って発達したライン状の積乱雲が通過し、それに伴って各地で強い雨を観測した。神奈川県東部は、午後1時半頃に厚い雲に覆われたものの雨は降らず、その後急速に晴れていった。

 各種資料を見ると、関東地方は下層は対流不安定の状態にあるものの、南よりの風に伴って下層に乾燥した空気が流入していたために雲は発生せず、午前中は良く晴れていた。地上風は南部沿岸域で強い南西風、内陸域では北よりの風が吹いており、埼玉、東京、茨城県付近に風の収束域ができていたが、これは気圧の谷とは特に関係なく分布していた。午後に入り、気圧の谷が通過。それに伴って発達した積乱雲が通過し、その雲から雨が降った。

 上空には寒気が流入し、地上付近も晴れて気温が上がったが、気圧の谷近傍以外で雲が発生しにくい状態だったのは、強い南風に伴って乾燥した空気が継続して流入していたからと考えている。



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by y_hirarin5 | 2011-04-25 23:59 | 今日の雲
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