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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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深い気圧の谷の前面(乱層雲)


【2011年4月23日11時44分】
@横浜市戸塚区
曇り
厚い雲が全天を覆っている。雨はときどきザッと強い雨が降っているが、ときどき止み間がある。雲の表面は凹凸があり、またときどき濃い灰色の小さな地切れ雲が南から北へ移動しているのが見える。また、雲の隙間から日が差すこともある。

午後12時現在、横浜では気温17.8℃、南の風6.2m/s、湿度87%、降水量0.5mm/h

 沿海州南部には上層まで続く背の高い低気圧があり、寒冷前線が南北に伸びている。関東地方は、寒冷前線や上空の気圧の谷の前面にあたり、下層には暖湿空気が流入して大気が不安定になっている。このため、寒冷前線からはまだ遠く離れているが、雲が発達しやすい環境となっている。


◆ 午後12時現在の気圧配置(地上天気図)

 沿海州の南には低気圧があって北東へ進んでいる。中心から閉塞前線が北海道の東に伸び、そこから温暖前線が秋田県に達し、寒冷前線が野と南東、紀伊水道を通って、南西諸島の南に伸びている。一方、揚子江河口の南には高気圧があって東シナ海に張り出している。また、日本のはるか東にも高気圧があって東へ移動している。日本付近は深い気圧の谷の中に入っている。


◆ 午後12時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 沿海州南部には低気圧に伴う渦状の雲があり、そこから日本付近に寒冷前線に伴う雲が伸びている。北海道から近畿地方と南西諸島には寒冷前線に伴う雲頂高度の高い発達した雲がかかっている。この雲の西側にあたる中国地方や四国地方も低い雲に覆われているが、九州では南部を中心に晴れ間が広がっている。

 関東地方は寒冷前線の前面に広がる雲に覆われている。茨城県や千葉県などの東部や神奈川県東部に広がる雲は雲頂高度が低く厚い雲で構成されているが、西から雲頂高度の高い発達した対流雲が近づいている。

 この時間は北海道から中国・四国地方の東部まででまとまって降っている。関東地方も群馬県を除いて~1mm程度の弱い雨や~20mmのやや強い雨が降っている。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 沿海州南部から朝鮮半島の北にかけては、地上低気圧に対応した上空の低気圧がある。中心付近には寒気を伴っており、500hPa面で-30℃以下となっている。日本付近はこの前面にあたり、九州から北海道にかけて南西風が吹いている。下層は九州では西よりの風に伴って乾燥した冷たい空気が流入しているが、それより東の地域は南よりの風に伴って強い暖気移流場となっており、湿った空気が流入している。

 関東地方も下層は南よりの風で強い暖気移流場となっており、湿った空気が流れ込んでいる。中層から上層にかけては南西風となっており、温度移流は下層に比べて小さいがやや湿った空気が流入している。500hPa面の渦度は、気圧の谷が東へ遠く離れており、南部では正渦度となっているが北部は負渦度のところが多い。700hPa面の鉛直流は、その下層850hPa面への強い暖湿空気の流入に伴って、特に南部で強い上昇流場となっている。


◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 地上付近から661hPa高度まで厚い湿潤層となっている。下層は850hPa付近までは強い南よりの風が吹いており、また対流不安定の状態になっている。一方、これより上空は風は南西風が吹いており、空気はやや湿っている。持ち上げ凝結高度は953hPa高度で湿潤層の中にある。自由対流高度は907hPa と低い。




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by y_hirarin5 | 2011-04-23 23:59 | 今日の雲
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