気圧の谷の前面(高層雲)


【2011年4月16日午前9時08分】
@横浜市戸塚区
曇り
 全天が薄い雲に覆われており、弱いながらも日差しがある。また、下層には塔状にやや発達した積雲がみえる。上層の雲は動きがわからないが、下層の雲は南から北へ移動している。
午前9時現在、横浜では気温17.9℃、南西の風5.3m/s、湿度78%

 東日本は、北海道の西から南に伸びる気圧の谷が通過している。また、この気圧の谷の南縁にあたる関東地方上空に上層の強風軸が東西に伸びている。下層へは暖気移流のため積雲がやや発達している。一方、それより上空の雲は上空の気圧の谷の前面に発生した雲で、雲の主体は海上にあって徐々に雲全体が東へ移動している。


◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

 北海道の西に低気圧があって北東へ進んでいる。中心から寒冷前線が東北地方から山陰地方の日本海沿岸を通っている。また、気圧の谷が低気圧から南へ伸びて、伊豆諸島付近に達している。また、停滞前線が、華南、東シナ海、日本の南海上を通って小笠原諸島の東へ達している。一方、山東半島付近には高気圧があって南東へ移動している。


◆ 午前9時現在の雲と雨(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 オホーツク海から北海道東部、東北地方から九州北部までの日本海側にかけて雲の帯が伸びている。この雲は北陸から西では雲頂高度の低い対流雲で構成されているが、北陸から北では雲頂高度が高い発達した雲も混じっており、北海道東部までこの雲がかかっている。また、別の雲の帯が日本の東海上から日本の南海上を通って揚子江流域に達している。この雲は雲頂高度が高く、また厚い雲で構成されている。

 関東地方は、南部はこの雲の帯がかかっているが、時間の経過とともに雲全体が徐々に東へ移動している。

 この時間は北海道から山陰までの日本海側と伊豆諸島、南西諸島の一部で降っている。多いところで午前9時までの1時間に~20mmのやや強い降水を観測している。

◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 シベリア東部から日本海にかけては、地上の低気圧や気圧に谷に伴う上空の気圧の谷が伸びている。この気圧の谷の軸は下層から上層にかけてはほぼ同じような位置にある。これに伴って寒気が流入しており、500hPa面では-24℃の等温線が日本海中部から北日本に延びている。

 関東地方はこの上空の気圧の谷の前面にあたる。このため、下層では南よりの風に伴って強い暖気移流場となっている。一方、上層は強風軸が関東地方上空に東西に伸びており、西よりの強い風が吹いている。上空はこれらの風に伴って非常に乾燥した空気が流入しているが、すぐ南海上は湿潤空気に覆われている。500hPa面の渦度は正渦度、700hPaの鉛直流は南部沿岸域で上昇流場となっている。これはその下層850hPa面において、南よりの風に伴って暖気移流が起こっていることによると思われる。


◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 下層は地表に近い層ほど相当温位が大きく、対流不安定となっている。その中の937hPa高度から厚さ500mほどの湿潤層がある。下層の雲はこの湿潤層に対応すると思われる。712hPa高度より上空は相対湿度が20%で空気が非常に乾燥している。上層400~300hPa高度付近は比較的空気は湿っている。持ち上げ凝結高度927hPa高度であり、自由対流高度は676hPa高度となっている。地表付近の湿った空気は持ち上げ凝結高度で飽和に達して雲になり、さらに下層への湿潤空気の流入で積雲がやや発達している。しかし、その上には乾燥した空気が流入しているために、それ以上雲は発達していない。また、850hPa面、700hPa面高層天気図で見られた南海上の湿潤域は、気圧の谷前面での南よりの風に伴って暖湿空気が流入したことによるもので、下層雲(積雲)の上空にみられた薄い雲はこの湿潤域のものと思われる。





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by y_hirarin5 | 2011-04-16 21:45 | 今日の雲
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