台風9号は若狭湾へ(乱層雲)


【2010年9月8日8時54分】
@横浜市戸塚区
厚い雲が全天を覆い、そこから雨が降っている。雲底表面は一様に灰色で濃淡も輪郭もなくぼんやりと霞んでいる。

午前9時現在、横浜では気温25.8℃、東の風2m/s、湿度87%


◆ 午前9時現在の気圧配置

 若狭湾付近には台風9号があって東へ毎時25kmで進んでいる。中心気圧は1002hPa、中心付近の最大風速は18m/sで暴風域はなくなっている。中心の南東側260km以内とその他の方位の220km以内では風速15m/s以上の強い風が吹いている。また、カムチャッカ半島の南には発達中の低気圧があって北東へ進んでいる。中心から閉塞前線が東へ伸び、そこから寒冷前線が日本の東海上に達している。関東北部から停滞前線が日本の東海上に延びている。一方、中国東北区には高気圧があって東南東へ移動している。また、小笠原諸島の西には高気圧があって西へ移動している。


◆ 午前9時現在の雲と雨

 この時間は、九州北部から東北地方南部まで帯状の雲に覆われている。特に近畿地方北部や岐阜県、静岡県から関東地方南部にかかる雲は発達しており、発達した団塊状の積乱雲で構成されている。中国地方には山岳域を中心に上層に達する雲が延びており、雲頂付近から周辺に上層雲が吹き出している。また、九州南部にも雲頂高度の高い雲がかかっている。その他の地方は下層の対流雲が出ているほか、薄い上層雲も出ている。

 関東地方には厚い雲が広がっており、特に神奈川県から千葉県南部にかけて上層に達する発達した雲がかかっている。

 雨は、この時間は東北地方南部から西の本州と近畿から中国地方の日本海側、九州北部と南部で降っており、午前9時までの1時間に多いところで~80mmの非常に激しい雨が降っている。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態

 台風に伴う上空の気圧の谷は、下層850hPa面にのみ現れている。台風に吹き込む反時計回りの風は下層のみで、中層から上層にかけては西よりの風が吹いている。暖気核は下層~中層にかけて近畿地方上空周辺にみられる。低気圧としては背が低い。カムチャッカ半島の南の低気圧に対する上空の気圧の谷は日本の東海上に抜けているが、それに伴う寒気は北日本を通過中で、北西風に伴って乾燥した寒気が冷たい空気が流入している。日本の南海上には下層~中層にかけて太平洋上に中心を持つ高気圧に覆われている。

 関東地方は台風の東側にあたる。下層から上層までは、風は南西~西南西~西風へと変化し、暖気移流場となっている。また、この風に伴って湿った空気が流入している。500hPa面の渦度は台風の東側にあたり、負渦度となっている。700hPa面の鉛直流は下層への暖湿空気の流入で上昇流場となっている。

 高層気象観測データ(館野)
地上から925hPa高度までは東よりの風が卓越し、特に948hPa高度から925hPa高度の間は湿潤層となっている。それより上空は南西風へと変わり比較的乾いた空気が流入しているが、700hPa高度付近と500hPa高度付近にそれぞれ湿潤層がある。

 地上風は東部沿岸域を中心に東よりの風が吹いているが、内陸では北よりの風となっており両者の間で風の収束が起こっている。下層風は高度1km付近では南東風、2kmより高高度では南西風が卓越している。高層気象観測データや風のデータから台風の影響を受けているのは高度1kmから上空で、地上付近の風や水蒸気の変化は別の要因で形成されている。

 写真の雲は、雨が降っていることもあり、雲底が霞んでいる。高層気象観測データからも雲は多層構造をしている。関東地方南部にかかっている発達した雲は、時間を遡ると台風に伴う団塊状の雲の一部が上空の風によって移動してきたものとわかる。下層でも特に地表に近いところの雲は東より風によって流入した湿った空気によるものと考えられる。



------------------
日本ブログ村のランキングに参加しています。
よければクリックをお願いします。

にほんブログ村 写真ブログ 雲・空写真へ

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ

投票してくださったみなさま、本当にありがとうございます。<(_ _)>
[PR]
by y_hirarin5 | 2010-09-08 15:26 | 今日の雲
<< 熱帯低気圧は関東の南東海上へ 台風9号は日本海へ(高層雲) >>