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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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日本の南海上に低気圧と梅雨前線(層雲)


【2010年6月8日11時55分】
@横浜市戸塚区
曇り
厚い雲が全天を覆っている。雲は全体的に薄い灰色で、空の低いところには一部色の濃いものもみられる。雲底は全体的にぼんやりとして霞んでいる。

午前9時現在、四国の南や小笠原諸島北部には低気圧があって、それぞれ東と北東へ進んでいる。南西諸島の南から停滞前線が、これらの低気圧の中心を通って小笠原諸島の東へ達している。一方、北海道の東海上には高気圧があって東へ移動している。

写真の撮影時刻にもっとも近い12時現在の雲のようすをみると、北海道や東北地方北部と中国地方を除いて雲に覆われている。特に、近畿から北陸、東北地方南部の雲は雲頂高度が中層から上層とやや高い。一方、関東や東海、四国、九州の雲は雲頂高度の低い下層雲が主体になっている。これらの中で関東、東海、近畿、四国、九州等太平洋側の地域は雲が厚く、午後12時までの1時間に近畿、四国、九州のところどころで~5mmの雨を観測している。

日本の南海上の低気圧や梅雨前線に対応する上空の低気圧は、850hPha面では地上低気圧とほぼ同位置にある。低気圧の四国の南の低気圧の南では、西~南西の風に伴って暖気が流入している。一方、低気圧の北側の関東から中国地方にかけての広い範囲には寒気の中心があって、その間の日本の南海上に梅雨前線に対応する温度集中帯が東西に延びている。700hPa面ではこの温度集中帯周辺で上昇流が卓越している。

この寒気はそれより上空の500hPa面や300hPa面に見られる、寒冷低気圧に伴っている。この中心は中国地方西部にあり、地上低気圧に対して北~北西側に位置している。このため、この高度では低気圧を回り込むように、日本の太平洋沿岸域で西~南西の風が卓越している。500hPa面の渦度でみると、この低気圧の中心とその南~南東側で正渦度領域になっている。これと700hPa面の上昇流領域の重なる地域で厚い雲が広がっている。

関東地方は前線の北側で冷たい東風が卓越しているために低い雲が広がっているが、前線から遠く離れている。午前9時現在の高層気象観測データ(館野)を見る限りでは、高度6000m付近までは東よりの風で相対湿度80%台の湿潤空気が流入しているが、ところどころで40%台の乾燥した空気も流入しているために雨には至っていないものと考えられる。
by y_hirarin5 | 2010-06-08 13:57 | 今日の雲
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