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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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気圧の谷の通過(高層雲)


【2009年10月17日15時56分】
@横浜市戸塚区
全天を厚い雲が覆っている。雲底は畝状になっており、形が判別できる。雨はこのときは降っていないが、1時間ほどして強い雨が降り出した。
午後3時現在、横浜では気温20.2℃、南南西の風2m/s、湿度61%

午前9時現在、日本海西部と朝鮮半島の北には低気圧があって、それぞれ北東と東北東へ進んでいます。また、台湾から南西諸島を通って日本の南海上には前線が停滞しており、これらを結ぶ気圧の谷が西日本に近づいています。フィリピンの東には台風20号があって北西へ進んでいます。一方、千島の南には高気圧があって東日本の太平洋側に勢力を残しています。

写真を撮った午後3時現在では、気圧の谷は中国・四国地方まで進んでいます。雲の分布をみると、朝鮮半島の南の低気圧周辺では、低気圧の北側から東側にかけて雲頂高度の高く厚い雲が広がっており、その南端が東北地方に近づいています。また、そのさらに南には雲頂高度の低い雲が中国地方や紀伊半島や東海地方にかかっており、この低い雲の下では1時間に5mm程度、場所によっては10mm相当の降水を観測しています。また、日本の南海上の前線やその前面に雲頂高度の高い厚い雲が広がっており、そこ北端が関東地方南部にかかっています。その他の地方は全般に小さな対流雲が点在しており、よく晴れています。

高層天気図をみると、朝鮮半島の北の低気圧は上層では深い気圧の谷となっており、中心付近に強い寒気を伴っています。下層では低気圧の東側(前面)では南よりの風に伴って暖気移流が、西側(後面)では北よりの強い風に伴って寒気移流が発生しています。その境界付近には強い上昇気流場が発生し、この周辺に湿潤域が広がっており、雲の分布と一致しています。一方、日本の南海上の前線付近には、温度集中帯がみられますが、その東側の小笠原諸島付近にまで温度集中帯が続いており、地上低気圧には現れていない潜在的な前線が存在しています。その北側の東日本では、中層から上層の気圧の谷の前面にあたり、地上から上層まで南よりの風が卓越して暖気移流場となっています。この状況は写真を撮った午後3時ごろも持続しており、南海上の前線周辺で発生した雲の一部が南よりの風に移動してきたものと思われます。
by y_hirarin5 | 2009-10-17 23:59 | 今日の雲
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