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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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前線性の雲バンド(高層雲)


【2009年3月9日16時50分】
@茨城県つくば市
曇り
全天は厚い雲に覆われているが、ときどき太陽が雲から透けてみえる。薄い灰色で表面が滑らかな雲と濃い灰色の小さな粒状の雲が浮かんでいる。
午後5時現在、つくばでは気温11.3℃、東北東の風1.6m/s、湿度66%





◆天気概況:地上天気図

午前9時現在、昨日日本上空を覆っていた高気圧は日本のはるか東へ移動していったが、勢力は北海道から中部地方までは残している。代わって九州の南海上には低気圧が進んできており東北東へ進んでいる。日本の南海上から延びる停滞前線が、この低気圧の中心を通って台湾に東に達している。また、アムール川上流には低気圧があって北東へ進んでいる。

日本付近は西から気圧の谷が進んできている。


◆雲と降水:気象衛星、レーダーアメダス解析雨量他

午後5時現在では、全国的に雲に覆われている。そのうち、関東地方北部から北日本にかけては薄い雲が主体で、その雲の切れ間から下層雲が点在しているのが分かる。北海道にはシベリア東部へ進んだ低気圧に伴う雲が一部かかり始めている。一方、関東南部から西の地方は、紀伊半島の南海上から九州の南海上にかけて海上を中心に厚く雲頂高度の高い雲に覆われている。雲は北ほど薄い雲で構成されており、この時間では九州北部や山陰沖から青森県の西海上にかけての日本海上ではこの雲が延びている。

関東地方は厚い下層雲が広がっており、南海上にある低気圧の接近に伴って上層雲が近づいている。


◆高層大気の状態:高層天気図、高層気象観測データ、ウィンドプロファイラデータ他

午前9時現在、オホーツク海南部には上空の低気圧が残っているが、下層から中層のみとなっている。一方、バイカル湖の東からアムール川上流にかけては、地上低気圧に対応する上空の低気圧があり、上層で対応する気圧の谷は北から延びて深くなっている。この低気圧の東側にあたる沿海州付近は南よりの風が卓越して暖気が北上している。また、中層から上層にかけてはこの気圧の谷は台湾の北まで達している。

日本付近はこの気圧の谷の前面にあたり、700hPa面より上空では全般に西南西風が卓越している。また、九州から関東にかけての本州の南岸沿いでは850hPa面に下層の温度集中帯があって、この上空に上層の強風軸が延びている。下層の温度集中帯の周辺は湿潤域が広がっている。

関東地方は、下層では前線帯に伴う温度集中帯の近くで湿潤空気に覆われているが、700hPa面より上空は乾いている。700hPa面では下降気流場となっているため、雲は下層のみとなっている。


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by y_hirarin5 | 2009-03-09 23:59 | 今日の雲
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