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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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冬型の気圧配置、関東南部で風が収束(積雲)

冬型の気圧配置、関東南部で風が収束(積雲)_e0124387_1456031.jpg
【2015年3月10日午前9時】@横浜市戸塚区
晴れ
青い空に大き目の積雲がたくさん浮かんでいる。雲には陰影があり、厚みがある雲だとわかる。

午前9時現在、横浜では気温11.8℃、北の風2.0m/s、湿度61%

◆ 午前9時現在の気圧配置(地上天気図)

 三陸沖に発達中の低気圧があって北へ進んでいる。中心から閉塞前線が南東へ伸び、そこから温暖前線がさらに南東へ伸び、寒冷前線が小笠原諸島の南へ達している。また、北海道の西に別の低気圧があって北東へ進んでいる。三陸沖の低気圧から伸びる気圧の谷が福島県沖から九州の南に達している。一方、華中には高気圧があって南東へ移動している。日本付近は冬型の気圧配置になっている。
関東地方も冬型の気圧配置の中あり、気圧の谷の中に入っている。

◆ 午前9時現在の雲と雨、風(気象衛星:可視、赤外、水蒸気、アメダス降水)

 この時間は北海道西部を中心にまとまって降っており、午前9時までの1時間に~20mm相当の降水が観測されている。また、東北地方から中国地方までの日本海側の山沿いと四国でも強いところで~10mm程度が観測されている。

 東北地方北部から北海道にかけて低気圧に伴った雲頂高度が高く厚い発達した雲が覆っている。一方、そのほかの地域では日本海側を中心に、寒気の吹き出しに伴う下層の対流雲が広がっている。関東地方はよく晴れているが、千葉県では下層の雲に覆われている。

 地上風をみると、この時間は群馬県から埼玉東京と千葉県北部にかけて5~9m/sの北西風が吹き抜けている。関東地方南部では沿岸域や千葉県南部で南西風が吹いている。このため、神奈川県から千葉県にかけて風の収束帯みられる。
 上空の風は1~3kmの各高度において西よりの風が吹いている。

◆ 午前9時現在の上空の大気の状態
◇各気圧面の高度分布(高層天気図)

 下層850hPa面においては地上低気圧に対応した上空の低気圧が、日本海北部から三陸沖にみられる。中心付近と中心の南東側に湿潤空気が広がっている。また、低気圧の南西側の東北地方南部から九州にかけては強い寒気移流場になっていて、日本海側の地域も湿潤空気に覆われている。この上空の低気圧の中心は700hPa、500hPaと高高度ほど西に偏っており、また、中心付近に強い寒気を伴っている。関東地方上空は下層は西よりの風に伴って寒気移流がみられるが、中層から上層にかけては低気圧の南東側で南西風に変わり、温度移流はほとんど起こっていない。また、上空は空気が非常に乾燥している。

◇大気の鉛直構造(高層気象観測データ:館野)

 地上から644hPa高度(高度3441m付近)までは相対湿度が30~50%あるが、それより高高度では10%より低く空気は非常に乾燥している。地表付近では相対湿度が高く、また気温も高いために相当温位が高くなっており、対流不安定な状態となっているが、下層は空気が乾燥していることと寒気が流入していることから相当温位が低い。風は地上付近で西北西風、高度が高くなるにしたがって南風成分が入り、西南西へと変わっている。

◆ まとめ

 関東地方は冬型の気圧配置になっており、南部には東海上から伸びる気圧の谷が通っている。また、風の収束域も見られる。それに沿うように千葉県付近では雲が発生しており、写真の雲もこの収束域に伴って発生したものと考えられる。


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by y_hirarin5 | 2015-03-10 14:55 | 今日の雲
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