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いま、そこにある雲


雲の観察日記 カメラはNikon D40, iPhoneを使ってます。気象予報士(2008年10月〜)
by ひらりん
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高気圧に覆われる、東シナ海付近に台風(積雲)


【2010年8月31日9時00分】
@横浜市戸塚区
白くにごった空に大きめの積雲が浮かんでいて、ときどき太陽を隠していた。雲は厚みがあり雲底に影があった。
晴れ
午前9時現在、横浜では気温29.6℃、東の風2m/s、湿度73%


◆ 午前9時現在の気圧配置

 沖縄本島南東海上には台風7号があって北西へ毎時15kmで進んでいる。中心気圧は960hPa、中心付近の最大風速は41m/s。今後12時間以内に中心付近の最大風速は43m/sに達する見込み。また、南シナ海には台風6号があってほとんど停滞している。台湾の北には台風8号があって西へゆっくり進んでいる。オホーツク海には低気圧があって北東へ進んでいる。中心から閉塞前線が南東へ伸び、そこから温暖前線がカムチャッカ半島に南に達し、寒冷前線が北海道北部、日本海を通って朝鮮半島に達している。一方、日本の南海上には高気圧があってほとんど停滞している。


◆ 午前9時現在の雲と雨

 この時間は、東北地方北部から北に朝鮮半島付近から延びる寒冷前線に伴う帯状雲の一部がかかっている。雲は秋田県南部にあるものが発達しており、団塊状の積乱雲とその上部の雲と風下側に形成されるテーパリングクラウドのような形をしている。また、南西諸島には台風8号に伴う雲や台風7号の外側の雲がかかっている。九州、中国、四国には山岳域を中心に多くの下層の対流雲が出ているほか、中部地方から関東地方にかけても山岳域に対流雲が発生している。

 関東地方は東部の沿岸海上に下層の層状雲が出ているほか、平野部に下層の薄い雲が出ている。

 雨は、南西諸島と東北地方北部から北海道の南部で降っており、多いところで午前9時までの1時間に~20mmのやや強い雨を観測している。


◆ 午前9時現在の上空の大気の状態

 上空は、南西諸島付近に台風に伴う上空の低気圧が下層~中層にある。上層にあった高気圧は熱帯低気圧上空のみととなっている。オホーツク海北部の下層~中層には地上低気圧に伴う上空の低気圧があり、前面(東側)に南西~南風によって暖気が流入している。また、アムール川上流付近には上空の寒冷低気圧があり、オホーツク海北部の低気圧への寒気の流入が少なくなっている。本州~九州・四国にかけては関東地方付近に中心を持つ上空の高気圧に覆われている。西側のチベット高気圧とは完全に分かれているが、上層まで達する背の高い高気圧となっている。

 関東地方上空は、高気圧の中心に近く、下層は南側に寒気がある一方、中層は暖気に覆われている。風は下層では南東~南風、中層は北より、上層は西よりとなっている。乾燥した空気に覆われている。高層気象観測データ(館野)をみると、地上~972hPa高度まで対流混合層があり、混合層トップに薄い湿潤層がある。その上は薄い逆転層が2つあり、空気は乾燥している。持ち上げ凝結高度は934hPa高度と湿潤層よりも上にあるので、混合層内へは周辺からの水蒸気移流などがあった可能性がある。自由対流高度は692hPa高度で高く、高気圧に覆われて空気が乾燥しているために雲の自発的な発達はこれ以上の可能性は少ないと考えられる。

 写真で空が薄く濁っていたのは下層に出ていた薄い雲であると考えられる。積雲も多く写っていたが、気象衛星の画像では確認できなかった。ただ、大気状態としては低い高度に対流雲が発生するようなものであった。



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by y_hirarin5 | 2010-08-31 23:59 | 今日の雲
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